バリ島での出産(4)
残されたプラセンタ(胎盤)の話の続きです。
と、その前にバリ島での「へその緒」の扱いでも日本にはない習慣があります。
当時住んでいたゲストハウスのオーナーのご家族にバリ人の男の子(当時3歳)がいたのですが、その子がいつも首に小さな金属の箱がペンダントトップになったシルバーのネックレスを身に付けていました。
妻がお母さん(いつも我が家のお掃除をしてくれて、子供達も大変お世話になりました。)にそれは何かを訊ねたところ、中にへその緒が入っているというのです。
どうやらバリ島では、お守りとして生後2~3ヶ月くらいから3歳くらいまで、こういったへその緒の入ったペンダントを子供に身につけさせる習慣があるそうなのです。
お~、おしゃれじゃん!って事で、娘が生まれてすぐに当時運転手をお願いしていたバリ人の友人にジュエリー工房に連れて行ってもらい、そのへその緒を入れる為のペンダントを購入しにいきました。
でもジュエリー工房に行っても、本来は観光客向けのお店なので、店頭には並んでいないのですよ。
バリ人の友人に説明してもらって、なんとか店の奥から在庫をいくつか出してきてもらいました。
もし、バリ島に行って同じような物を買おうとしても、現地の人と一緒でないと難しいかもしれません。
で、結構シックなデザインで、シルバーのチェーンのネックレスを購入しました。
しかし購入後、いざとれたへその緒を入れてみようとしたら、どうもロウソクで焼き切ったために通常のへその緒より長めだったようで、その小さなペンダントトップにはとても入らない大きさでした。orz
まあ切って小さくすれば良かったのでしょうが、なんだかそれもかわいそうな気がして・・・
で、まあ小さな赤ちゃんにネックレスを付けていても邪魔だよね・・・ってことで、結局このネックレスは、使われずじまい・・・(T-T)
う~ん、捨ててはいないと思うので、どこかにあると思うのだけど・・・今度、探してみよう!(^_^;
さて、話を元に戻しましょう。
出産の翌日にも、イブ・ロビンが娘と妻の様子を見に来てくれました。
その時に娘を日光浴させているイブ・ロビンです。
運転手としてイブ・ロビンの旦那さんもやってきていましたが、まあ何をするでもなくテラスの椅子に腰掛けて本を読んでいました。
ほんとに時間がゆっくりと流れ、皆自由に自分のペースで生きているんです。
で、例のプラセンタですが、骨壺に入れられ、上から花びらを散らされ、奇麗に飾られていました。
もの自体は、いわゆる肉屋さんで目にするレバーの固まりみたいなんですけどね。
血液がたまっている臓器だから見た目も似ているんでしょうね。
食べた事がある友人は、味もレバーみたいだったとの事でした。(苦笑)
それで、どうやって処分するかという事になった訳ですが、前にも書きましたように
近くの聖地である川に流すという事に決めたのですが、さてどのタイミングでいくか?
って事になる訳です。
まずは出産の日の翌日、バリ人の友人に、その場所に連れて行ってもらいました。
そこは二つの川が合わさっている谷で、確かに聖地であるらしくお供え物の残骸がたくさんありました。
そして、現地の人はそこで沐浴もするようで、その時もどうもバリ人カップルがそこで沐浴をしていたようです。
もちろん裸なので、お邪魔にならないように、そちらには視線を持っていかないようにしてたので(汗)曖昧な表現ですいません。m(__)m
う~ん、さすがに現地の人がいる中で、見ず知らずの外国人が聖地に骨壺を沈めるというのもなぁ・・・と、まあこちらの勝手な思い込みで、おおらかなバリ人はそんな事を気にしないかもしれないのですが。
(そこに流すよう勧めたのも、現地のバリ人ですしね。)
で、まあその友人に聞いてみたところ、夜遅くか明け方のまだ暗いうちにくれば誰もいないだろうから、そういう時間に流せばいいだろうという事になりました。
という事で、意を決して夜の10時くらいにひとりで車を運転してその場所に向かいました。
(さすがに我が家の家族の事なので、バリ人の友人を巻き込むのも気が引けたので、僕一人で行く事にしていました。)
しかし、さすが観光地のウブド・・・夜の10時では、まだけっこうなんだか人がウロウロしているのです。
なので、1回目のトライは断念。
という事で、出産から二日目の早朝、4時くらいに一人起きだし、まだ真っ暗な中をひとり車を運転していきました。
出産から二日も経っていれば、日中は30度を超えるし、クーラーもない部屋に置いてあったので、さすがに腐敗が始まってるかなぁと心配していたのですが、つぼの中をのぞいてい見ると特に腐敗臭などもせず、若干表面が乾いている感じはしましたが、花びらもそのまま、奇麗なままでした。
途中、パサールと呼ばれる市場を通るのですが、ここはもう朝の3時くらいから開いていて、4時過ぎにはもう荷物を積んできたり、買った物を積み込んでいったりの車で大にぎわい。
ありゃ~、こりゃまたダメかなぁ・・・とも思いましたが、目的の場所は市場からも少し離れていたので、さすがに静かで人影はなさそうでした。
骨壺を片手に、もう一方の手でスマホを握りしめ、スマホの明かりを懐中電灯代わりにして谷に降りていきました。
さすがに一人で真っ暗闇の中を、ガタガタの石の階段を下りていく最中は、ドキドキでした。
川辺について、スマホの灯りを消しあたりを見回してみます。
真っ暗で何も見えませんが、夜空に星が奇麗に見えていました。
人の気配は・・・う~ん、川の流れの音もあり、全く分かりません。でも、誰かいそうな雰囲気も・・・。
まぁ、しゃ~ない!ここまで来たらやるしかないでしょ!って事で、意を決して川面に面した場所に移動し骨壺を下に置いて、持ってきたお供え用のお香に火をつけました。
こちらがその時の写真。
そして、「今まで、娘と共に本当にありがとう。お疲れ様でした。そして、この地でこれからも娘を見守ってくださいね。」そんな気持ちで手を合わせました。
その後、骨壺を両手に持って川の際まで行き、なるべく深そうに思える場所に向かってその骨壺をドボンと沈めてきました。
それからこの聖地に対して、「お邪魔をしてしまってごめんなさい。どうかお赦し下さい。娘をどうかこれからも見守ってあげてください。よろしくお願いします。」と、暗闇に向かって手を合わせました。
特に正式な祈りの方法などをとった訳ではありませんが、おおらかなバリの神々は赦してくれるのではないかと思っています。
おかげさまで、その後娘はたいした病気もせず、よく食べ、よく出し、よく笑い、よく泣きながら、すくすくと育っています。
お祈りを済ませた後は、まあ、あまり一人で長居したいところではなかったので、そそくさと引き上げてきました。
帰りの車の中で、ようやく僕の中で、出産という一大事が終わった気持ちをひとり噛み締めていました。
そんなわけで、バリの人と同じように、娘の片割れはバリ島に眠っています。
なので、娘もどんなにバリを離れても、またやがてバリに戻ってくる事になるのかもしれません。
貴重な体験をさせてもらった娘に感謝です。ありがとう。
これにて、バリ島での出産のお話はおしまい。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
※いろいろと日本では問題になりそうな事ばかりかもしれません。決してお勧めしてる訳ではないのでご注意願います。
世界に愛と悦びを・・・
MASARU
日本で初めてのオルゴナイト専門店『LOVE ORGONe ラブオルゴン』
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