バリ島での出産(2)

バリ島の夜明け。アグン山

妻に陣痛なのか、ひまし油を飲んだ為の下痢によるものなのか分からない腹痛が来だしてから1時間もかからないほどだったと思いますが、我が家に助産師のイブ・ロビンさんと二人のアシスタントの方がいらっしゃいました。

この二人のアシスタントの方も、たしかアメリカ人とカナダ人の方で、イブ・ロビンのところで学ぶ為に、1~2ヶ月の期間滞在してボランティアで手伝っていらっしゃるとの事。

(こんなことも日本ではあり得ないでしょうが、世界に出てみるといろいろな自由な方、自由な体験に出会えます。)

助産師の方々は、テキパキと出産の準備をすすめてくれます。

(お一人は、ご自身も妊娠されていて大きなお腹をされていました。)

自宅のバスタブが、欧米の旅行者向けの大きめのバスタブだったので、妻の水中出産の希望に沿って、そこを出産場所にするように準備してくれました。

この頃には、腹痛も定期的に波があり、明らかに陣痛だと妻も自覚していました。

いや~、カスターオイル(ひまし油)・・・恐るべし。

そして、バスタブの準備ができると、早速妻はすっぽんぽんになってバスタブの中へ・・・

僕は、ビデオ撮影などもしようと機材は持っていっていたのですが、妻の陣痛を和らげる為に氣(いわゆるエネルギー・ヒーリングです)を当ていて、少しでも離れると叫ばれて呼ばれてしまうので、とても準備はできず、撮影は断念。(^_^;

バスタブから半身を出している妻の背中側から、背中に手を当てて彼女を支えていました。

お湯につかると、もうすぐに出産スタートです。

まず、呼吸を整え、なるべく妻を落ち着かせるように促してから、一回目の息み。

妻は絶叫していますが(汗)、ポコンっ!といった感じで、彼女の股間から娘の頭が出てきています。

とりあえず、その状態で一休み。

首から上だけを出している娘は、水の中でも落ち着いていて、おとなしくしています。

ちょっと照明も暗めにしてあったので、確かではないのですが、何度か目も開けていたように思います。

その場にいたみんなが、息をのみ彼女を見つめ、とても静かな時間が一瞬あったような気がします。

(いや~、こちらもそれなりに動転してたので、もしかしたら勝手に記憶を作っているかもしれませんが・・・)

この状況をみて、助産師さん達が何やら「ワオッ!」とかいって、こそこそ語りだしました。

なんだ?どうした?いいのか?大丈夫なのか?・・・と若干不安になりながらも、次の陣痛の波がきていよいよ最後の息み。

つるんとした感じで(あくまで僕の印象ですが)娘は全身を現して、この世界に誕生してきました。

助産師さんが、水の中の娘をさっと取り上げ、なにやら処置をしています。

で、どうもこの時説明があったのですが、彼女はとても珍しい状態で生まれてきたそうなのです。

つまり、彼女は破水をせずに、羊膜をかぶったまま生まれてきたのです。

確かに、水の中で彼女の頭は、まるでマンガにでてくる金魚鉢のような宇宙服のガラスのヘルメットをかぶっているように、顔のまわりに一枚膜がはっていたようでした。

これをみて、ベテランの助産師さんたちもビックリしていたようなのです。

イブ・ロビンは「彼女は、ムーンチャイルド(月の子供)よ。ムーンチャイルドは偉大なヒーラーになるといわれているのよ。」と説明してくれました。

後でしらべると、日本でも破水せずに羊膜をかぶって生まれてきた子は、「幸帽児(こうぼうじ)」として、母子手帳に記録されるそうです。

イブ・ロビンは羊膜を破って娘を取り出し、泣き声を上げている娘を妻に手渡しました。

娘はそこで初めて母の手に抱かれ、いざなわれるままにお乳をくわえて、一心に初めての母乳を飲み始めました。

イブ・ロビンは羊膜を大事にとっておいて、後で大きめの皿を持ってこさせ、それに羊膜をきれいに丸く貼付けて「記念にとっておくように」と渡してくれました。(乾くとパリパリの薄い皮になりました。(^_^))

羊膜

さて、このまま娘と妻は、胎盤が出てくるまで、まだしばらくお湯につかっていたのですが、胎盤も無事に出てきたようで、寝室のベッドに移動する事になりました。

そして、まだ娘と胎盤はへその緒でつながったままです。

このへその緒の切り方が、また独特で・・・

と、このお話はまた次回に。

世界に愛と悦びを・・・

MASARU

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